統計ソフトとしてSASを使う機会がしばしばあるのですが、なかなかとっつきづらさを感じています。その要因として、プログラミング言語としての仕様の独特さや、非公式の情報の少なさ(と言っても公式の情報は充実しているのですが)などと並んで、「そもそもソフト自体が有料(しかも高い)」という点も大きいのではないでしょうか。「ちょっと自宅で触って慣れてみよう」とかできないので、学生時代から研究室で使っていたとかでない限りは高い参入障壁を感じてしまいがちだと思います。
そんなこんなで「家でも気軽にSASが弄れたらいいな〜」などと考えていたところ、”SAS OnDemand for Academics”という名称で無償のソフトがSAS公式からクラウドで提供されていることを最近知りました。実際に使ってみたりもしたので、セットアップからモデルを構築するまでに僕が通ってきた流れを簡単に書き残しておこうと思います。
1. SAS OnDemand for Academics
SAS OnDemand for Academics は、SAS公式から提供されている無償でSASソフトが利用できるサービスです。Webブラウザからアクセスし、オンラインで統計解析やモデル構築を行うことができます。詳細は以下のページからどうぞ。
2. セットアップ
サービスを利用するにあたり、ユーザ登録等の前準備が必要になります。
ざっくり以下のような手順です。
1. SAS公式のサイトにアクセスする
上で紹介している公式サイトにアクセスしてください。
2. SASプロファイルを登録する
SASプロファイル登録(SAS製品のユーザ登録のようなもの)が済んでいない方は、先にプロファイルを登録します。
画面右上のボタンから登録画面に飛べます。
3. SAS OnDemandの登録
プロファイル登録とは別に、サービス自体の利用登録が必要みたいです。
プロファイル登録が終わったら「今すぐアクセス」ボタンから、”Learn & Support" のページに飛びます。
ページ中段あたりの”registration application” からログイン画面に飛びます
プルダウンタブで "Asia Pacific" を選択して "REGISTER OR CHECK ACCOUNT"を選択します。
次の画面でメールアドレスとパスワードの入力欄があるので、入力して "Submit" を押してSAS OnDemandに登録してください。僕が登録した際は、登録してから実際にログインできるまで若干ラグがありました。登録してから半日後くらいにアクセスしてみたところログインできるようになっていましたが、実際のところもっと早く開通しているかもしれません。
4. サインイン
サインインを押すとログイン画面が出てくるので、メールアドレスとパスワードを記入してログインします。
5. SAS Studioを起動する
ログインすると、ダッシュボードが表示されます。ApplicationsタブのSAS Stadioを起動します。
こんな画面が表示されたらめでたく起動完了です。
3. せっかくなので使ってみる
まずはデータの読み込みとSASプログラムファイルを作成します。以下のアイコンからプログラムファイル作成とデータのアップロードができます。
とりあえずKaggleのタイタニックのデータセットを読み込み、決定木にぶち込んで交差検証を行うプログラムを書いてみました。
実行結果はこんな感じです。ちゃんと学習の結果が出力されていますね。
4. まとめ
ということで、SAS OnDemand の登録から分析までの流れをざっくり書いてみました。RとPythonしか使ったことないのに急に仕事でSASを使う羽目になって死にそうになっている数ヶ月前の僕みたいな方には嬉しいサービスだと思います。お試しあれ。